できない上司に限って「なぜか人が辞めていく」と嘆く
ここまで挙げたものは、実際の現場では本当によく出てしまうワードです。
職場なので指導する、指導を受けるといった環境がデフォルトですが、傾聴し受容する姿勢をもてば、言い換えのできるワードです。これができない上司に限って「そんなやり方教えていない」「報告がない」「人がどんどん辞めていく」と憤慨しているものです。
上司の役割とは、適切なリーダーシップでチームのモチベーションを上げることと、適切なマネジメントで、チームの能力を発揮させ成果を最適化させることです。小さな単位のチームでもこの構図は変わりません。自分の状況に置き換えた場合、相手が委縮してしまう、次の言葉が言い出せないようなコミュニケーションの方法では絶対にモチベーションは上がらず、疲弊したストレスフルな職場になってしまうでしょう。
対して、良好なコミュニケーションがあれば、まずは上司部下間の「話せる」関係性ができます。総合的に報連相が良好になり、連携ミスや時間のロスもなくなります。さらに新しい提案や意見の交換も活発になるでしょう。
円滑なコミュニケーションこそがストレスフリーで信頼できる関係性を育み、チームの能力を最適化できるエンジンになるのです。
円滑なコミュニケーションが良い組織を醸成する
ところで私には、自分の疑問も、ちょっとした不満も相談できる上司がいます。その方は、私が悪い報告をしなければならないときに、丁寧にじっくりこちらのタイミングを待って聞いてくれて、「しっかり話してくれてありがとう」と笑顔で受け入れてくれました。さらに自分の失敗談も話してくれて、そこからの立て直しが非常に速かったことも覚えています。
だいぶ昔の話ですが、今でもその方への信頼は揺るがず、また、自分が後輩を指導する際にふっと思い出すタイミングがあります。
コミュニケーションは連鎖します。皆様の円滑なコミュニケーションが信頼を構成し、最終的には生産性の高い持続可能な組織を作っていくのです。