40歳以上の独身の割合が急増している

以下、独身と有配偶を年齢15~39歳、40~64歳、65歳以上の3つに分類してその構成比で色分けしたグラフを参照ください。

2020年の段階でも40歳以上の独身の割合がすでに急増していることがわかりますが、社人研の2050年までの推計では、2045年には、30代以下の若者独身人口より、65歳以上の高齢独身人口のほうが上回ってしまいます。

冒頭に述べた「超ソロ社会」とは、今でこそ「若い未婚者の多いソロ社会」ですが、今後は生涯未婚のまま高齢者となった層と配偶者との死別によって独身に戻った元既婚者層による「高齢ソロ社会」へと変わっていくことになります。

ちなみに、エリア別にみれば、東京圏や大阪などの大都市においては、若い独身の多いソロ社会となり、地方などに行けば「高齢のソロ社会」となり、同じ独身が多いといってもその様相がまったく異なるものになります。

「妻が看取ってくれる」と思わないほうがいい

加えて、地方の場合は、高齢夫婦の死別による単身世帯化がこれから激増します。持ち家比率の高かった時代に結婚して一軒家に住まう現高齢夫婦は、いずれどちらかが先に亡くなって一人暮らしになります。子どもや孫がいたとしても、同居しているとは限りません。結婚して、子どもを持っても、いつかは必ず夫婦のどちらかはまた一人になってしまうということは覚悟しておいたほうがいいでしょう。

「妻が看取ってくれるから」と安心している既婚男性もいることでしょう。確かに、死別高齢独身人口を男女で比較すると、2020年時点で男性161万人に対し、女性768万人と女性のほうが圧倒的に多いのですが、それでも妻に先立たれる夫は全体の夫婦の2割弱はいることを示します。幸か不幸か、最近では男性の平均寿命も延びていますし、必ずしも、妻より夫のほうが早く死ぬとは限りません。

死別ではないまでも、熟年離婚によって独身に戻る場合も増えています。同じく2020年時点で、離婚して独身に戻った高齢独身者は、男性87万人、女性135万人で、こちらは死別パターンより男女の数が拮抗しています。

これら婚歴のある独身出戻り組に加えて、1990年代以降急増した生涯一度も結婚したことのない未婚組が加わることで、65歳以上の高齢独身人口はこれから過去最大規模を更新していくことになります。