新型コロナ以前の6分の1に規模縮小…
大いなる期待を込めながら会場を訪れた私だが、今年の会場で目にしたものは今までとまったく異なるものだった。
まずショーの会場となるPalexpoという施設にはホール1からホール7まであり、今まではそのほとんどを使っていた。しかし今回はホール2とホール4の2つしか使っていなかったのだ。規模的に3分の1程度になっていたのである。
驚きはこれに留まらない。ホール2はヒストリックカーとモータースポーツ車両展示でほとんどの空間が占められており、モーターショーというより自動車博物館といった体の展示なのである。
つまり、モーターショーといえる展示はホール4のみ。「モーターショー」としては2020年に計画されていた展示面積の6分の1という寂しいものとなっていたのだ。
寂しい欧日メーカーと中国ブランドの隆盛
驚きはさらに続く。
主要欧州メーカーで出展していたのはルノー(とその傘下のダチア)だけだった。ルノーは往年の名車、ルノー5(サンク)をモチーフとした小型BEVの発表のタイミングだったため出展したと思われる。日本メーカーで出展していたのはいすゞだけで、数台のピックアップトラックの展示のみだった。
会場を見渡せる場所から圧倒的な存在感を示していたのがBYDとMGである。MGはイギリスのブランドだったが、MGローバー社が経営破綻しブランドが南京汽車に買収され、南京汽車を上海汽車が買収したため現在は上海汽車のブランドである。
MGは欧州ではBEVを中心に販売しており、BEV市場では存在感が高まっている(2023年のイギリスBEV市場ではモデル別でMG4がテスラ・モデルYに次いで2位となっている)。
つまり、今回のショーでもっとも目立っていたのは中国ブランドだったのである。