欧州を席巻するも、認知度の低い中国ブランドにメリット

一方でイケイケなのが中国ブランドで、BEV化の波に乗って欧州でも存在感を高めている。

欧州BEV市場における中国ブランド車のシェアは、2019年の0.5%から2023年は8.2%にまで上昇している。中国ブランドのBEVはコストパフォーマンスで欧州ブランドを圧倒しており、低価格帯では中国ブランドが有利である。

ただし、中国ブランドの認知度はまだまだ低いのが現状だ。

前述したとおり、上海汽車は欧州である程度名の通ったMGブランドで展開しているのが有利に働いているようで、欧州ではBYDより上海汽車が大きく先行している。2023年のドイツでの販売台数はBYDの4139台に対し、MGは1万8526台である。

ブガッティ、ポルシェ、アウディのブースが見える2019年のジュネーブモーターショー会場
写真提供=筆者
ブガッティ、ポルシェ、アウディのブースが見える2019年のジュネーブモーターショー会場。この年までは高級スポーツカーブランドも数多く出展する華やかなショーだった。

ブランド強化に躍起になる中国メーカー

しかしMGも、価格優位性があるにもかかわらず、トップのフォルクスワーゲンと比べれば4分の1程度だ。

そのため、中国ブランドはブランド認知向上とブランド力強化に躍起になっている。モーターショーは重要なコミュニケーション機会なので、力を入れるのである。

こんな寂しいジュネーブモーターショーでも、混雑しているといえる程度に人は入っているし、若年層も多い(2019年のデータでは、来場者の27%が20代)。