麻薬のような強い中毒作用がある

カゼインには、「カソモルフィン」といって、麻薬のような強い中毒作用があるため、食べ続けるともっと食べたくなる傾向があります。

しかも困ったことに、患者さんのなかでも毎日、中毒のように牛乳を飲みたがる人、ヨーグルトやチーズ好きほど体内に問題を抱えているケースが多いのです。

ためしに2週間やめてみると、体調がよくなったことに気づくのでわかります。

これは、小麦粉のグルテンも同じです。グルテンにもカゼイン同様に中毒性があるため、パンや麺類はやめられない、止まらないのです。

クリニックでも、グルテンフリー、カゼインフリーについてお話しすると、まず開口一番、「食べるものがなくなってしまいます」「それでは死んでしまいます」と訴えられます。

和食を食べていれば問題ない

でも、実は日本人こそグルテンフリーとカゼインフリーは実践しやすいのです。

パン食ではなく、なるべく米食にする。乳製品は豆乳製品に代用する。便秘にいい乳酸菌はヨーグルトからではなく、みそや漬物などの植物性食品からとる。カルシウムは牛乳からではなく、小魚から……。

そうです! 和食を食べていれば間違いありません。パンやパスタ、ピザが大好きな欧米人は大変苦労しています。

本間良子、本間龍介『抗加齢専門医が教える 食事は「引き算」に変えなさい』(青春出版社)

実際、最初はとまどっていた患者さんも、1カ月ほどたつと、お腹の調子がよくなり、胃も強くなるのか、肉が食べられなかった人でも食べられるようになります。

また、意外なところでは集中力がアップしたり、貧血が改善する方もいます。それだけ、グルテンとカゼインが目に見えない炎症を起こしていたのでしょう。

イメージ的には若い世代より中高年世代のほうが和食を好みそうですが、食生活を調べると、朝食をパンと牛乳、ヨーグルト、シリアルなどで済ませる高齢世帯が増えています。

年をとるほど朝食づくりが面倒になり、ご飯とおみそ汁をつくるより、日持ちのするパンとコーヒーにしたほうがカンタンなのかもしれません。

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