「ウッチャンナンチャンがいるから大丈夫」が350万ビュー

そこで大晦日の夜、X(旧Twitter)にこう投稿した。

「ダウンタウンがいなくなってもウッチャンナンチャンいるから日本のお笑いは大丈夫。ごっつええ感じでYOUと篠原涼子がセクハラされてた頃、ポケビとブラビは綱渡りとか厳しいチャレンジさせつつも、ちゃんとビビアンと千秋の『自己実現を叶える装置』として機能しつつ、ミリオンヒット飛ばしてたよね」

すると、またたく間に3万いいねがつき、インプレッションも350万近くなった。

同じようなことを思っている人が意外といるのかもしれない。そして「その話をもう少し詳しく書いてみてほしい」と、この記事の依頼をいただいたのだ。

1980年代終わりから1990年代初頭にかけて、ウッチャンナンチャンは「東のウンナン、西のダウンタウン」といわれ、ダウンタウンと並び称されていた。

当時、ダウンタウンから強烈な笑いの洗礼を受けた男子中学生、男子高校生らは多い。そして彼らは現在、アラフォー、アラフィフの男性になっている。その多くは勤め人だろう。実は、ダウンタウンはお笑い界の大御所として君臨しているように見えるものの、冠番組・看板番組を持っているのは、『水曜のダウンタウン』(TBS系・水曜22時)など、中年男性になったファンがテレビを視聴しやすい平日夜10時台と休日が中心だ。ファンの多くは新陳代謝しておらず、いわゆる「古参」に支えられているのではないだろうか。

内村光良は現役でコントを作り続け、司会術も磨いてきた

さて、ウッチャンナンチャンが2023年の紅白でポケビ・ブラビを再結成させ、多くの人を感動させたことは「唐突」に見えて実はそうではない。現在、2人そろっての冠番組こそ持たないが、彼らは着実にキャリアを築き、芸を磨いてきた。

まず、ウッチャンこと内村光良には、ダウンタウンのような「中年サラリーマン」だけではなく「老若男女」をターゲットにした司会者としてのキャリアがある。彼は2017年から4年間にわたり、紅白歌合戦の総合司会を務めたのだ。

また、同じくNHKでは2012年から「LIFE!〜人生に捧げるコント〜」をスタートさせ、10年間続く長寿コンテンツに成長させた。現在は番組タイトルを「LIFE!」に改め、そこはかとないおかしみや哀しみを誘うコントを、そのときどきの話題のアーティストやタレントをゲストに迎えながら、不定期でつくり続けている。

ダウンタウンがこの20年近く、めったに自分たちの漫才もコントも行っていないのに対して、常に若手と切磋琢磨せっさたくましてコントという「作品づくり」を続けてきたのが、内村なのだ。