電子カルテの作り込みが、クリニックの屋台骨を作る

さて、電子カルテは買うものであり、自分で作るものであるということがお分かりいただけたであろう。電子カルテの作り込みが、クリニックの屋台骨を作る。ぼくは、大手コンピューターメーカーFの代理店の会社の電子カルテを使っている。自分専用の電子カルテを作るという作業は、ぼくとカルテ会社の共同作業である。

松永正訓『開業医の正体 患者、看護師、お金のすべて』(中公新書ラクレ)

その点、ぼくの選んだ会社は、ぼくの期待に確実に応えてくれている。それくらい電子カルテは今の時代のクリニックに重要である。苦労してカスタマイズするだけの見返りはあると言えるだろう。

紙のカルテから電子カルテに時代は大きく変わった。現在は、データをクラウド上に保管するクラウド型電子カルテも登場してきた。クラウドを利用すれば、サーバーが不要なので、コストを抑えて電子カルテを導入することができる。

ただし現時点では、クラウド型電子カルテは、自分の思う通りに中身をカスタマイズすることはできないらしい。しかし、いずれクラウド型が主流になる時代が来るだろう。カルテの変化に医者はついていかなければならない。将来は、患者の診療録をサマリー(要約)の形でデジタル形式によって患者に渡すことができるかもしれない。新しい形のカルテは、きっと患者家族にも恩恵をもたらすとぼくは期待している。

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