病気にかかった時に、どうすれば心を穏やかに保つことができるか。緩和ケア医で自身もがんと診断された廣橋猛さんは「生活の中に小さな楽しみや目標を持つことが励みになった。コーヒーの匂いをかいだり、音楽を聴いたりする癒しの効果を侮ってはいけない」という――。

※本稿は、廣橋猛『がんばらないで生きる がんになった緩和ケア医が伝える「40歳からの健康の考え方」』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

スマホを使用する人の手元
写真=iStock.com/ipuwadol
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病気を公表するのには勇気がいる

入院当日の夜。

私は前からやろうと思っていたことを行動に移しました。

それはTwitter(いまはXになりましたが、当時を振り返る意味でTwitterという言葉を使います)で、私の闘病を公表することでした。

これまでFacebookを通じて、私と個人的につながりがある方には病気のことを伝えてきました。でもTwitterはまるで別です。不特定多数の一般の方に知られることになります。私の患者さんに知られることにもなりますし、周りからどのような目で見られるか恐怖もありました。

ただ、がん緩和ケアに関わる医師の目線で治療を通じて感じたことの発信は、いまがん治療中の方、そしてこれから治療を開始される方に、きっと役立つのではないかと思っていました。私のTwitterアカウントでは以前から緩和ケアに関する情報発信をしており、すでに1万人を超えるフォロワーの方がいらっしゃいました。おそらく、誰かの力にはなれるはずです。