安倍、菅時代の貯金を使い切った岸田政権

岸田政権の支持率低下の特徴は何か。一つは、若年層の支持を急速に失っていることだ。

安倍政権時、メディアでは盛んに「若者の保守化」が唱えられていた。選挙の出口調査でも、10代20代の支持率は底堅いことが示されていた。

初期の岸田政権も、例外ではなかった。2021年の解散時には「なぜ若者は自民党に投票するのか?」という記事が掲載されている。

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これによれば、自民党に投票する割合が最も高かったのは10代であり、続いて20代と、若年層による自民党の指示が底堅かったことが顕著だ。NHKの出口調査によれば、最盛期の2017年には20代投票者の50%が、比例で自由民主党に票を投じていた。

岸田政権の支持率が低下し始めて以降の世論調査では、全く異なる結果が出ている。例えば、時事通信が10月に実施した世論調査では、岸田内閣の支持率は26.3%であるが、そのうち29歳以下の有権者は10.3%と、極めて低い数値となっている。60歳代、70歳以上は30%を超えているのと対象的である。

安倍政権・菅政権においては、支持率が上下するものの、概ね若年層からの支持が底堅かった。岸田政権は、その貯金を失い、若年層の支持を失った結果、支持率の底が抜けていったと言える。

これらのことを考えると、「若者の保守化」というよりも、単に安倍晋三元総理が個人としての人気が高かったことと、野党第1党である民主・民進・立憲の忌避感が高かっただけであり、根本的な「岩盤支持層」は高齢層であったことがわかる。

与野党の第1党はどちらも、世論調査では高齢層の支持を中心としていると言えるだろう。

自民党の次に人気な国民民主党

では、新興政党はどうか。「若年層人気」という観点で、興味深い世論調査がある。

12月のNHK世論調査では、世代別の支持率がグラフとして公表されたが、国民民主党が39歳以下の支持率で自民党についで2番目の支持率となったことが話題になった。

国民民主党は党首である玉木代表が積極的にYouTubeなどでの発信を行っており、ネットを通じた知名度の向上に一役買っていると言えるだろう。