新NISAが始まる前に手続きは必要ですか?

筆者と同じようにすでにNISAで運用をされている方は、新NISAが始まるにあたり何か手続きが必要なのではないかと気になりますよね。私もあれ? 何かしないといけないんだっけ? と思い問い合わせましたが、既にNISA口座を開設している場合は、何もする必要はありません。

既にNISA口座を開設している場合は同じ金融機関で新NISA口座が自動開設されます。つみたて設定をしている場合にはその設定も引き継がれるので、特に手続きの必要はありません。

ただし、投資対象や投資金額を変えたい場合には手続きが必要です。金融機関によっては新NISAの予約設定を行うことができるところもありますが、基本的には新NISAが開設されてからの手続きとなります。また、新NISAでは現行のNISAで投資可能だった一部の商品が対象外となっています。対象外となる商品のつみたて設定を行っていた場合には設定が解除されてしまうのでご注意ください。

ちなみに、「銀行でNISAをやっていたけど、楽天証券やSBI証券に変えたいわ」と金融機関を変更したい場合には、それも可能です。現行NISAを開設している金融機関に金融商品取引業者等変更届出書を提出して勘定廃止通知書を受け取り、新しく開設する金融機関に提出します。

ここで注意点が。もし、現在の金融機関でつみたて設定をしたままで来年1月に現在の金融機関で売買が行われてしまった場合には、来年1年間は金融機関の変更ができません。一度でも取引があった年には金融機関の変更はできないことになっています。

また、新しい金融機関での新NISAの口座開設にあたり税務署の審査等に時間がかかります。今のうちにつみたて設定は停止しておき、手続きをすすめておくとよいでしょう。

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今年中に今までのNISAの枠は使い切った方がいいって本当?

今年中にNISAを始めた方がいいと聞きました! という資産運用相談の方も多くいらっしゃいました。

現行のNISAの枠は来年からの新NISAの投資枠とは別枠で非課税枠を使うことができます。なので、使い切れた方がお得ではあります。ですが、新NISAでは投資可能額が年間360万円、トータルで1800万円と格段に増えます。今まで何もしていなかった人がこれから毎年360万円、トータルで1800万円も投資できるとは思えません。今年の枠を無理に使い切っておく必要はないのではないでしょうか。

また、現行NISAの非課税期間が終了するとき、先ほど述べたような対策が必要になってきます。今まで何もしていなかったのですから、そんなに慌てず、新NISAが始まってからの投資デビューでよいでしょう。

ひとまず、今のうちにNISAの口座を開設しておけば、来年新NISA口座が自動開設されるので、口座開設だけでも今から手続きをしておくことはおすすめします。

ただし、既に投資を続けている方で今年の枠を使い切りたい場合は受渡日にご注意を。受渡日が今年中でないと現行のNISAでの投資にはなりません。

購入手続きが年末ぎりぎりの場合には受渡日が来年となってしまい、今年の枠を使い切れなくなってしまいます。受渡日のタイミングは約定日から2日~5日ですが、ファンドや販売会社によって異なります。確認しておいてください。