次は人間の子供が殺されるのではないか
環境省によれば、若い狼は時に好奇心旺盛な行動をとることもあるが、通常、健康な狼は人間に警戒心を示し、攻撃的になることはない。しかも、もし、狼が人間に対して目立つ行動をとったり、十分に保護された家畜を何度も捕食したりした場合には、現在の法律は、その個体の排除を許しているので、問題はないとのこと。しかし、それが難しいから、今、皆が困っているのだ。
また環境省は、ヨーロッパ全体で狼の駆除が禁じられていると強調しているが、オーストリアもスイスも、放牧の家畜を守るため、一定の駆除を許可している。だから狼は国境を越えて、パラダイス“ドイツ”にやって来るのではないか。
しかし、カット氏は言う。「このままでは狼は増え続け、羊飼いは去っていく。去った羊飼いは、二度と戻ってこない。しかし、狼はどんな環境にも適応するから、食べる家畜がなくなれば、他のものを探すだろう」。カット氏は、赤ずきんちゃんが出ることを警告しているのだ。
すでに首都ベルリンの森でも狼は観察されている。緑の党は、森を切り開いて風車を立てるわ、長閑な放牧地を引き裂かれた羊の死骸でいっぱいにするわで、とても自然を守っているようには見えない。特に、森の散策が大好きな国民のことを、全然考えていないように思えてならない。