自由に伸び伸びと育てられた愛子さま
それに、どうやら天皇皇后両陛下は、将来において天皇になるという前提で愛子さまを育てられてなさそうだ。愛子さまは成年時の記者会見で、「短所といたしましては」「自由に伸び伸びと育ったようで、少しマイペースな部分があるところだと自覚しております」「小さい頃から人見知りのところがございますので」と仰っているが、両陛下はあえて、愛子さまを伸び伸びと育てられてきた。
小学校のときから、学校を遅刻されたり、休まれたりすることが多くても無理を強いることは避けられたし、国民に向けて会釈をするとか、お手振りも無理強いされなかった。大学1~3年の3年間は、新型コロナ禍でほとんど登校されずにリモート学習のみだったし、現在もゼミなどには参加されているが、大人数の講義とか、サークル活動など学生生活は、ほぼ皆無だという。
また、成年記者会見は好評だったが、成年の前月の2021年11月にされるべきところ、準備不足で22年3月に延期された。成年行事の一環である武蔵陵墓地(昭和天皇の御陵などがある)や伊勢神宮への報告はまだ行われていないし、眞子さまが16歳、佳子さまが19歳で始められた単独公務も、まだ開始されていない。
天皇は決められたときに決められたことをする存在
愛子さまは、文科系の勉学や、何事も時間にしばられずに、納得するまでマイペースで高いレベルのものを仕上げることが得意で、家族などとの密度の濃い人間関係を大事にされる方である。
ただ、天皇という存在は、決められたときに決められたことをし、どんな人にも好き嫌い関係なく接するべきだから、もし、愛子さまが天皇になる可能性があると両陛下が考えられたとしたら、別の教育方針があったはずだ。そのように考えると、両陛下や愛子さまご本人にとって「愛子天皇論」はむしろ迷惑なのではないか。
もちろん、雅子さまのご実家の小和田家やその周辺の人々が、愛子さま誕生ののち、孫が天皇になることを望んでいたのは事実だ。
小泉内閣のときの有識者会議には、小和田氏に近い人が多く参加するなど、公正さを疑われることが多く、内容も愛子さま以外の可能性を緻密に検討もせずに排除し、男系派の猛反発を受ける原因になった。