母は「叩き潰すようなことを平気でする人」

叔父であるジャニー喜多川の性加害については、

「ジャニーと私は生まれてから一度も2人だけで食事をしたことがありません。会えば普通に話をしていましたが、深い話をする関係ではありませんでした。

ジャニーが裁判で負けたときもメリーから『ジャニーは無実だからこちらから裁判を起こした。もしも有罪なら私たちから騒ぎ立てるはずがない。本人も最後まで無実だと言い切っている。負けてしまったのは弁護士のせい』と聞かされておりました。当時メリーの下で働いていた人達も同じような内容を聞かされてそれを信じていたと思います」

母親のいうことをそのまま信じる、ずいぶん素直ないい子ではないか。

だが、母親のメリーについてはこんな記述もある。

「そして母メリーは私が従順な時はとても優しいのですが、私が少しでも彼女と違う意見を言うと気が狂ったように怒り、叩き潰すようなことを平気でする人でした。

20代の時から私は時々、過呼吸になり、倒れてしまうようになりました。当時、病名はなかったのですが、今ではパニック障害と診断されています。

私はそんなメリーからの命令でジャニーズ事務所の取締役にされておりましたが、事実上、私には経営に関する権限はありませんでした。そして2008年春から新社屋が完成した2018年まで、一度もジャニーズ事務所のオフィスには足を踏み入れておりません」

撮影=阿部岳人

母娘は本当に“不仲”だったのか

そしてこういい切るのだ。

「ジャニーズ事務所を廃業することが、私が加害者の親族としてやりきらねばならないことだと思っております。ジャニー喜多川の痕跡を、この世から一切なくしたいと思います」

叔父であるジャニーとの関係はその通りだとしても、母親であるメリー氏と“不仲”だったというのはにわかには信じられない。

ジャニーズ事務所の後継者、東山をジュリーの婿にと考えていたと、メリー氏の“母親愛”はこれまで何度も報じられてきた。

極め付きは文春(2015年1月29日号)の「ジャニーズ女帝怒りの独白5時間」だった。

マネージャーとしてSMAPを国民的スターに育て上げた飯島三智氏を、文春記者の面前で罵倒、SMAPをこき下ろしたのである。

「だって(共演しようにも)SMAPは踊れないじゃないですか。あなた、タレント見ていて踊りの違いってわからないんですか? それで、そういうことをお書きになったら失礼よ。(SMAPは)踊れる子たちから見れば、踊れません」
「この人(飯島氏)はSMAPが長すぎているのかもしれませんね」
「悪いけど私、飯島に踊りを踊れる子を預けられないもの」

怒りはさらに激しくなる。ついには、

「文春さんがはっきり聞いているんだから、対立するならSMAPを連れていっても今日から出て行ってもらう。あなたは辞めなさい」