参考書を図書館で借りるという節約術がテレビで紹介されていましたが、これは本末転倒。大事なところにアンダーラインを引いたり、繰り返し目を通すことで頭に入っていくものであり、借り物ではそれができません。むしろ自分で本屋さんに行かせ、たくさんある中から自分に合ったものを比べながら選ぶことが大切です。
そのうえで、なぜ必要なのか、どんなポイントで選んだか、何を目標にし、どんな日程で実行するかを考えさせ、申請書や稟議(りんぎ)書のようなものを書かせたり、口頭で説明させるといいと思います。目的意識を持たせることができ、加えて、お金の大事さを教えることができるでしょう。
節約の一環として、ポイントを集めるためにクレジットカードで買い物をする人も少なくありませんが、子供には現金をやり取りする様子を見せることも大切です。幼い子はとくに、クレジットカードがあれば何でも欲しいモノが手に入る、と思い込む危険性があります。損得だけで考えるのではなく、ちょっと立ち止まって子供への影響を考えることを心掛けるのです。
一番大切なのは「上手な使い方」
お金の使い方は子供に伝染します。私は学生時代、初めてのアルバイトで得たお金を全額、両親へのプレゼントに充て、大目玉を食らいました。一生懸命働いて得た報酬を無駄遣いしたと言われたのです。就職後ならともかく、学生には学生なりの使い方がある、と考えたのでしょう。今なら親が私に教えたかったことがよくわかります。
国民年金の保険料や給食費を払わないなど、義務を怠る節約は言語道断ですし、公共の場でモバイル機器の充電をするといった犯罪まがいの節約もすべきではありません。
外食をするにしても、お母さんが節約疲れしたための外食は「無駄遣い」ですが、家族でゆっくり楽しむための外食なら、子供は「上手なお金の使い方」を身に付けられると思います。