「学歴フィルター」に文句を言ってもしょうがない

ある大手就活サイトが、所属大学によって最初から学生を選別していた疑いが浮上しました。それに続き、大手企業でも同様のことが行われていたことが暴露されています。

公平だと思っていた就職試験で「学歴フィルター」がかけられたことに、ネットで批判が殺到しましたが、僕は学歴フィルターは当然のことだと思っています。求人枠が限られている企業としては、早い段階から優秀な学生に絞って面接したい気持ちはよくわかります。どうでもいい学生と体裁ばかりの面接をしている時間を、優秀な学生との面談に費やしたいでしょう。これは、企業の立場になればわかることです。

しかし、逆に言えば、偏差値の高い大学に入っていれば、学歴フィルターが有利に働くわけです。だから、自分が努力してそういう立場になればいいのです。そもそも、学歴フィルターをかけてくるのは有名な大企業がほとんどで、小さな会社にはそんな余裕はありません。つまり、学歴フィルターに文句を言っている人は、有名大企業に入りたいと思っているのです。

自分自身がブランドで企業を選んでおきながら、企業がブランドで学生を選ぶことにとやかく言うのは違うでしょう。それに、あえて僕が指摘するまでもなく、この世の中は、ありとあらゆるところで前もっての選別が行われています。そのときに、選ばれるようになりたかったら、そうなるようにするしかありません。

「仕事と学歴の両立」に一つの答えを出した芦田愛菜

僕は以前、タレントの鈴木福さんから受験勉強について相談を受けたことがあります。鈴木さんは芸能界の仕事と受験勉強の両立に不安を感じているようでした。

映画『ワンダー 君は太陽』(Wonder)のジャパンプレミアに出席したゲストの鈴木福さん。(東京都港区のTOHOシネマズ六本木)=2018年5月31日(写真=時事通信フォト)

同級生たちと戦って少しでもいい大学に入るには、しっかり勉強しなければならない。でも、勉強のために仕事を減らしてしまうと、今後は仕事が来なくなってしまうかもしれない。「どちらにどのくらいの比重を置けばいいのか」判断がつかなくて迷っていたわけです。その迷いには、芦田愛菜さんが一つの答えを出しています。

彼女は、一時期、仕事を減らして勉強に励みました。そして、偏差値の高い高校に入学して話題となり、その後は「頭のいい女優」というポジションを獲得しています。競合相手が少ないので、今やCMにも引っ張りだこ。受験勉強に費やした時間を全部取り戻しています。

芸能界という特殊な世界でも、やはり学歴はものを言います。クイズ番組を見ていても、「へえ、この人○○大学出身なんだ」と評価が上がることがあるでしょう。要するに、いい大学を出ていて損なことはありません。逆に言うと、学歴を甘く見ると、将来大きなリスクを背負うことを意味します。