女性の不都合の解消は国の不都合を解消すること

選択的夫婦別姓を進め、女性の不都合を解決することは、国の不都合を解決することにもなる。女性にとって生きやすい環境をつくらなければ、この国の抱えている、最も深刻で重大な少子化問題を解決することもできません。そのことに全議員、そして何より全国民に気づいていただきたいです。

2023年日本のジェンダーギャップ指数は146カ国中125位で、過去最低の結果。各国では、ジェンダー政策を進めれば国が栄えていくことを理解していますが、理解していないのは日本だけです。国際社会の一員だと自負しているのであれば、国際社会の一員たる政策を進めるべきです。

コロナ禍で女性の就業者数が大幅に減少し、雇用や生活面で大変厳しい状況にある女性がたくさんいます。企業の経営者の方々には、女性が男性と同様にその能力をいかんなく発揮できる環境をつくり、男女間の賃金格差などを見直していただきたいと思います。女性が経済的に自立できれば、たとえ離婚してひとり親になったとしても、貧困に陥らずに済むはずです。現在企業では、女性の役員登用がゼロの会社は投資されなくなるということが常識になりつつありますが、そのようなわかりやすい指標ができたらいいですよね。

撮影=小林久井

誰も傷つかないのに

改めてお伝えしたいのですが、別姓にするか、同姓にするかを自由に選べるようにするわけで、同姓を否定するものではありませんし、誰かを傷つける話ではありません。別姓を選ぶと「子どもがかわいそう」というのが反対派の意見ですが、現在結婚件数の3組に1組は離婚していて、苗字が変わる子どもはたくさんいます。逆にそういった意見は、親と苗字の違う人を差別することにつながる気がしてなりません。