債券投資の鉄則、格付け

そんな雑音を振り払うべく、発行体である楽天グループ、そして楽天モバイル事業についての業績見通しや財務状況等をアレコレ調べました。

私見としては、モバイル事業は当面は厳しく、赤字はまだしばらく続くだろうなと思うも、楽天グループ本体が、この2年間で破綻するような財務状況ではないとの判断でした。

しかしそれは自信満々の判断というわけではなく、なかなか踏ん切りがつきません。

そこで、私が大いに参考としたのが、「格付け」でした。

格付けとは、専門的な第三者機関である格付機関が、債券発行体の事業内容、財務状態、業績見通しなどを調査・分析し、その信用力を分かりやすい記号で評価してくれたものです。

相当専門的な知識・経験がない限り、発行体の信用力を判断することは困難なので、この格付けは、債券投資には欠かせません。

今回の楽天モバイル債に限らず、債券投資において、基本中の基本とも言えるものなのです。

格付機関は国内外に複数ありますが、国内の代表的な格付機関の1つ、日本格付研究所(JCR)による発行体の格付と定義は、以下の通り(図表1)。

出典=日本格付研究所「信用格付の種類と記号の定義」(一部抜粋)