日本は選ぶ側ではなく、選ばれる側になっている

コロナ禍でテレワークが進んだ。必ずしも日本に来てくれる高度人材ばかりではない。自国から離れたくない人、快適な他国で働きたい人もいる。

坂口孝則『買い負ける日本』(幻冬舎新書)

ドバイ、エストニア、ポルトガルなどでは月収50万円ほどの、自国以外で働くテレワーカーにも滞在ビザを発給し雇用機会を与える。国を挙げての人材獲得が激化するなか、先手で施策を打ち出している。

日本はもともと製造現場の空洞化を志向してきた。そして製造現場への投資を控えるようになった。人材の継承に問題が生じた。人が育たないので、その穴埋めが必要だった。そこを外国人技能実習生という“奇策”によって糊塗ことしようとした。しかし成長はおぼつかず、賃金は横ばいを続け高度人材の獲得にも後塵を拝するようになっている。現在では、働く人材が、働く国を選んでいる。良い人材を各国が争って誘致している。

その状況がわからず待遇改善が図られなければ日本から人材が流れ、日本は堕ちていく。

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