電話で金額を確認したのに、高額な請求を受けることに
安価な広告をうのみにしない方がいいことは、よくわかっていただけたかと思います。では、依頼する前に電話でしっかりと値段を確認すればトラブルは防げたのでしょうか。50歳代の女性からの相談を紹介します。
女性は、トイレの給水ホースから水が漏れているのに気づきました。インターネットで修理業者を探し、「950円~」との広告を出していた事業者に電話します。修理代が高額にならないか確認したところ「3万円を超えることはない」と言われたので、自宅に来てもらうことにしました。
作業員2人が来訪し、状況をみてもらったところ「給水管にひどいさびがついている。このままにすると数百万円の修理が必要になり大変なことになる。修理代はさび落としに10万円、部品交換に5万円」と言われました。
高額だとは思いましたが、不安になったのでその場で契約しました。作業時間は10分程度で、作業料15万円はクレジットカードで支払いました。
作業員が帰ったあと状況を確認すると、床が水浸しになっていて水漏れは直っていませんでした。電話で苦情を言うと「作業は適切だった。これ以上の修理は便器交換しかない」と新しい便器を購入するようすすめられました。これ以上支払いたくないと消費生活センターに相談がありました。
「見積もり」に来ただけのはずが…
電話口で金額を確認していても、高額な請求をされるケースは悲しいですがあることです。それでは、見積もりのためだけに来てもらえばいいのでしょうか。70歳代の女性からの相談を紹介します。
蛇口から水漏れがしていました。女性は郵便ポストに入っていた「見積もり・出張無料」のチラシを思い出します。この事業者に電話し、見積もりを依頼しました。
事業者は来訪すると「見積もりを出すため」と言って蛇口を取り外しました。その後、「蛇口がさびて給水配管の中の状態もよくない。給水設備全体の交換が必要だ」と言って50万円の見積書を出してきました。
女性が「高額な工事なのですぐには返事できない」と言うと、今日中に返事をするよう言い残して、蛇口を取り外したまま水漏れ修理もせずに帰ってしまいました。
しばらくして、事業者から電話があったので「工事はやらない」と伝えたところ、「断るなら蛇口取り外し料金約2万円を支払ってほしい」と言われてしまいました。この請求に納得がいかず、女性は消費生活センターに相談しました。