水回りのトラブルが起きたときにはどうすればいいのか。ライターの高橋ホイコさんは「『水回り修理950円~』と掲げている業者が、実際には数十万円の料金を請求するようなケースがあり、国民生活センターは注意を呼びかけている。大切なのは、まず落ち着くことだ」という――。
トイレ
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「水回り修理 950円~」などの格安広告には飛びつかない方がいい

蛇口からの水漏れや、トイレの詰まりなど、水回りのトラブルが起きたときどうしたらよいのでしょうか。インターネットを使って修理業者を探す人も多いでしょう。郵便ポストに入っていたマグネット式の広告のことを思い出す人もいるかもしれません。

この業者選びは、慎重にならなくてはいけません。特に注意が必要なのは「水回り修理 950円~」といった相場よりかなり安い広告です。国民生活センターは、必ずしもその値段でできるとは限らず、数十万円の料金を請求されるケースがあると注意を呼びかけています。

全国の消費生活センターには、「トイレ修理 390円~」と書いてあったのに55万円を請求されたとの相談も寄せられています。国民生活センターが公表している相談事例から、どんな事例があるのか読みときつつ、いい業者と出会うための対策を考えていきましょう。

※消費生活センターは、商品の購入やサービスの利用に関する契約トラブルの相談を受け付ける都道府県・市区町村の機関。国民生活センターは、これらの機関に寄せられた苦情相談情報を収集し、情報提供を行っています。

「トイレ修理 390円~」のはずが請求額55万円に

最初に紹介するのは、40歳代の女性からの相談です。夜に自宅マンションのトイレが詰まってしまった女性は、インターネットを検索し「料金390円~」とうたう事業者を見つけ、電話で修理を依頼しました。

男性2人の作業員が家に来て、高圧ポンプで10分程作業しましたが、詰まりは解消しません。作業員は「便器を外して排水管を確認する。3万円かかる」「長年の汚れが蓄積して詰まった。こんなにひどいのは初めてだ。通貫作業が必要で20万円前後かかる」などと言い、金額はどんどんふくれあがっていきました。

女性は、他の部屋の住民に迷惑をかけてはいけないと思い了承してしまいます。すべての作業は30分程度で完了し、詰まりは解消しました。ですが、最終的に契約金額はおよそ55万円にもなってしまいました。

作業員に「現金で支払えば50万円に値引く」と言われ、少しでも安くなればという思いからATMで引き出しその場で支払いました。よく考えてみるとあまりに高額で納得できず、消費生活センターに相談しました。