女性の大学進学率向上で、出会い年齢が2歳上昇

この、女性の四大進学率の急上昇期に当たる1990年代後半から2010年代半ばまでに、女性の「結婚相手との出会い年齢」は約2歳上がりました。一方、80年代にすでに四年制大学進学率が40%に達していた男性は、昨今に至るまで、出会い年齢は25.6±0.7歳の範囲で推移し続けています。このことからも、進学率が上昇すると、結婚相手との出会い年齢が上がり、それが晩婚化につながるというのが見て取れます。

ここまでは、学歴の変化、見合い結婚の減少、恋愛結婚の増加、など晩婚理由は比較的見えやすい状況でした。2010年代以降に起きる晩婚・未婚化については、その原因が何なのか、なかなかわかりづらくなっていきます。

未婚率の上昇を読み解く一つのカギは「職場婚の減少」

一つの手がかりとなるのが、「付き合い始めたきっかけ」を細かく表したデータです(図表4)。

前項の通り、付き合い始めたきっかけとしては、戦後一貫して「見合い」が減り続けました。その穴埋めとなった「恋愛」を細かく見ると、「職場・仕事」婚が90年代まで、一貫して増え続けています。ところが1990年代後半以降、今度は「職場・仕事」が減り続けます。代わって「その他」が若干近年伸びていますが、これはネット婚などの新手段・新機会の増加によるものでしょう。それ以外の「見合い」「友人」「学校」「趣味」「バイト」「街中」については一進一退で、影響は見えないといったところです。

ここまで概観して、この20年間の未婚・晩婚化の理由を大局的にいうなら、それは、職場婚の減少が響いたといえそうです。

さて、ではなぜ職場婚は減少したのでしょうか。