夕食が遅くなる人は夕方にちょい食べで「分食」
仕事などで人それぞれの事情があり、夕食が遅くなる人はいる。そんな人は、どんな食事ならいいのだろうか。
前出・永井さんは消化のいいものにするようアドバイスする。たとえば、主食は、おかゆ、麺類、雑炊などにして、おかずは、鍋物・煮物など温かい料理が良く、肉は脂身の少ないものを選ぶといい。豆腐や魚もおすすめだ。鍋物の具材やサラダでしっかりと野菜やきのこ類を食べ、野菜が少ないときは果物をそえるといいとも。
夕食が遅くなる場合、永井さんは「分食」もいいと勧める。たとえば、夕方5時くらいにいったん食べておき、その後の夕食を軽めにする方法だ。後の方を軽めにするのがポイント。永井さんは、それぞれの人のライフスタイルに合わせ、個々人に合う時間栄養学を提唱している。
遅い時間帯の夕食時に避けたいのが、カフェインが多く含まれるコーヒーなどのほか、消化に時間のかかる天ぷらやポテトチップスといった揚げ物、さらに交感神経を興奮させてしまうキムチなどの辛いものや炭酸飲料などだ。これらは、覚醒作用が強く働いてしまい、安眠の妨げになりがちになる。
以上、朝食と夕食を中心にした話だが、昼食に関してはどうか。
平日も休日も同じ規則正しい時間帯に食事をとること
ビジネスパーソンなどは外食で済ますケースが多く、野菜などに含まれるカリウムが不足しがちになる。古谷さんは、サラダをとる工夫をしてほしいとアドバイスする。カリウムは、細胞外液のナトリウムと作用して細胞の浸透圧を維持し、水分を保持する役割があるとされる。
古谷さんは「習慣は1週間で変えられます」とも話し、1週間続けられると、その後も続けてみようとなるという。
時間栄養学からは、朝型の生活が理想となり、仕事や学業の生産性も高くなるとされる。しかし、人によっては残業など仕事の都合もあり、誰もが実践できるわけでない。朝型の生活を強要すると、どこかにひずみが出てくることもある。
「次善の策として、規則正しく生活するのは誰にもメリットがある」(大池さん)。食事は毎日、規則正しく同じ時間帯にとることが大切になる。
ありがちなのが、平日は勤勉にばりばりと働き、食事を規則正しくとっていても、週末は休日モードで、昼まで寝ているという生活パターンになる人だ。これは良くないという。平日も休日も同じく、規則正しい時間帯に食事をとることが大切。そういう人は、仕事や学業の「パフォーマンスが高い」(大池さん)。
時間栄養学から、さまざまなことがわかってきている。時間帯を意識した食生活を心がけ、健康で元気に過ごしたい。