ワークシートで応募企業を分析してみよう


「生業×会社の風土・カラー」推測ツール

この5軸を分析するためのワークシートを用意しました。これを使って応募企業の生業(事業や仕事の進め方)を調べていくと、基本的な社風・企業文化が見えてくるはずです。そのうえで、「自分はこの会社に合っているかどうか」を考えてみてください。

そして、あまりにも合っていない業界には応募せず、自分の性格が生かせそうな業界を受ける。これにより、不合格は減り、合格確率が上がるはずです。さらにいうと、こうして「自分のキャラ」が生きる会社に入れば、その後の会社生活でもストレスが少なくなるはずです。

このワークシートを使用するうえでいくつか注意をしておきます。

(1)あくまでも、知りたいのは、「どんな社風か、どんな企業文化か、そこで自分が働いて窮屈ではないか」です。このツールを渡すと、学生たちはよく、シートに並んだ項目を機械的にヒアリングするだけで、終えてしまうのです。たとえばこんな感じです。

「定着率は高いですか? 何%ですか?」
  「平均年齢は高いですか?」
  「課長になるのは何歳ですか?」
  「どんな取引先と仕事をするんですか?」

確かに、項目として挙げたことを聞くのは大切です。でも、こんな機械的なヒアリングだけで本当に会社の生業が見えるでしょうか? 私としては、ここにあげた項目は、生業を簡単に読み解くための「手掛かり」だと思っています。この項目をイエスかノーかで聞く(調べる)だけでなく、その答えを頭の中でつなげながら、リアルな会社像を想像し、そして、そうするとまた疑問がわくので、それをぶつける、といった有機的な質問・研究を進めてほしいと思っています。

(2)最初に書いたとおり、「競争ですか、協調ですか」と聞けば、「どちらもだよ」といった答えになりがちです。それを防ぐために、それぞれの軸ごとにいくつか聞くべき項目をつけていますが、もっと端的に聞く方法があります。それが、「キャラの立った業界と比べる」という手法です。

たとえば、「競争ですが、協調ですか」と聞いて、「どちらもだよ」と言われたら。この軸で一番極端な業界・会社を出して、比較形で聞いてみるのです。「リクルートと比べてどうですか?」「証券会社と比べてどうですか?」といった具合に。各軸ごとに、両極端にあるキャラの立った業界をぶつけると、「あそこほどでは」といった答えが出やすいでしょう。

(3)ネットや本で調べるのではなく、OB訪問や面接の場など、直接、人に聞ける場合ならば、まずは自分のキャラを話してみましょう。「私は縁の下の力持ちタイプで、あまり目立つ行動には出ません」、こう話したうえで、「こんな私はどうですか? 御社には馴染みませんか?」と素直に聞くのがよいと思います。ここで、社交辞令的な言葉が出たら「向いていないのだな」と思うべきです。逆に、積極的に「そういうタイプ、いいねえ。だけど、ちょっとずつ、主役争いにも加わっていってよ」なんて前向き評価が出るなら、あなたはその会社に入るべきです。