実際問題、スマホタイムを1日1時間未満にするのは難しい

親御さんが説得して、わが子のスマホの使用時間を1時間未満に減らすことは、相当難しいでしょう。子どもの反発は必至です。

実際に、私が宮城県白石市のある小学校をモデル校として、スマホの使用時間を減らす取り組みを行ったときのこと。まず子どもたち自身にスマホやゲームの使用時間のルールを決める会議をしてもらいましたが、私が事前の講演で「1時間未満がいいんだよ」と伝えたにもかかわらず、子どもたちに1時間未満はつらいようで結局、2時間未満となりました。

しかし2時間未満でも、たった半年間で「ルールを守れる子の割合が増える」「スマホの依存傾向が減る」という結果が出たのは注目すべき点でした。

ここで重要なことは、子ども自身がルールを決めて、それを守るということです。家庭でも子どもと会議をし、親子でスマホの使用時間のルールを決めましょう。もちろん1時間未満が望ましいですが、今すぐ1時間未満にしなくてはいけないわけではありません。たとえば今4時間なら、翌月は3時間、翌々月は2時間、と無理のない範囲で減らしていき、1年後には1時間未満になっている、それでもいいと思います。

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1日1時間でも夜寝る前のスマホは絶対にNG

また子どもだけでなく、大人もインターネットづけでスマホやパソコンのスクリーンばかり見て、子どもの目を見て話す機会が少ないのも考えものです。親自身もスマホの使用時間を減らして、子どもと話す機会を増やしましょう。

親が子どもにスマホのリスクについて、かみくだいて説明したり、脱オンラインをしたけれど、こういうところが難しかったといった体験談を話したりしてあげてください。子どもに対して、ただスマホをやめろと叱ったり、取り上げたりして、親子関係がぎくしゃくしてしまっては、あまり意味がありません。

あくまでもゴールは、子ども自身が気づき、自己管理できるようになること。親子の関係性や愛着形成を大切にしながら、子どもが親との約束をまず守るという信頼関係をコツコツ積み重ねていくことが、根本的な解決になります。

スマホの使用時間を減らすには、使う時間帯を決めるのはもちろん、通知チェックを1日1回にするなど回数を制限するのも有効です。

ただし使う時間帯に関しては、夜はNGです。スマホが発するブルーライトが睡眠を阻害するため、少なくとも寝る1時間前まではやめるべきで、ベッドに持ち込むのは言語道断です。寝るときはリビングで預かるなど、親がしっかりコントロールしたほうがよいでしょう。