わが子を犯罪者にしないためにできる4つのこと
闇バイトに巻き込まれないためにはどうすればいいか。その対策を、元法務省保護観察官で、現在は、西南学院大学人間科学部で教鞭を執る中村秀郷准教授(専門:司法福祉、精神保健福祉)に聞いてみた。
なので、大人も若者が使いこなしているSNSの機能を理解し、闇バイトの基本的知識を知り、助言できるレベルにはなって欲しいところです。
何が大事かと言われても一般的なことになりますが――
(1)SNS上の高額バイトは犯罪の可能性が高い。
(2)免許証、健康保険証、家族の名前など個人情報が分かるものをDMで送ってはいけない。送るように言われたら闇バイトを疑うべき(後で脅される)。
(3)ものを運ぶだけ、人に渡すだけ、人から受け取るだけ、といった仕事内容も怪しいが、徐々に犯罪色が濃くなる場合があるものは闇バイト。
(4)「絶対捕まらない、これは犯罪行為にならない、弁護士に確認している」等、犯罪にならないことを強調しているものは闇バイトと疑うべき。
若者(できれば中学生から)を中心に積極的に周知・啓発し、逮捕リスク、被害者から損害賠償請求されるリスク(末端の出し子・受け子に対して高額な損害賠償請求判決が出ている等)があるなど、ハイリスク・ローリターンであることを理解させること。
そして、大人も闇バイトの最近のトレンドに詳しくなること、アンテナを張ってブラッシュアップしていくこと等が大事かと思います。
これらはわれわれから見たら常識的なことかもしれませんが、こういうことを話してくれる人が身近にいない若者はけっこういます。誰か注意する人が身近にいれば、闇バイトに巻き込まれる危険も減り、かつ巻き込まれたけど抜けたい人が、的確な判断を出来るようになると思います。
楽して稼げることはない
来月から夏休みがはじまる時期、大人も若者も、闇バイトの基本的知識を身につけ、騙されないように気を付けてもらいたいものだ。
楽して金を稼げるなどということは、この世の中には絶対にない。闇バイト関連犯罪は、その被害者の財物だけではなく、加害者一味に加わってワンチャンゲットして楽に金儲けをしようという「浅はかな考えの若者」の人生をも奪う犯罪集団であることを肝に銘じておいて欲しい。