喜びすぎてしまう状態を示す“孫フィーバー”に注意

成長・発達に関しては、赤ちゃんが言葉を理解するようになってからも注意が必要だ。稲葉さんによれば、孫の成長を促そうと「まだおっぱいを飲んでいるの?」といった言葉を掛けると子どもの自尊心の芽を摘み取ってしまうのだとか。

「ママ・パパの気持ちに寄り添うのは妊娠中も同じです。なかでも慎重になってほしいのは出生前診断を受けてよくない結果が出たとき。諦めるか産むかの判断はママ・パパに任せること。たとえ相談されても、話を聞くまでにとどめておき、二人が出した結論に対してサポートするというスタンスにしましょう」(棒田さん)

ちなみに、出生前診断は検査会社でも受けられるが、結果を伝えて終わりの場合がほとんどだという。

「病院では結果に応じ、カウンセリングや相談の体制を整えています。もしママ・パパから、診断を受けるかどうかについて相談されたら、カウンセリングを受けられる場所で診断を受けるといいとアドバイスしてあげてください」(稲葉さん)

一方、祖父母の過ぎた支援に困惑されるケースもある。

孫ができて喜びすぎてしまう状態を示す“孫フィーバー”はその代表だ。誕生前からベビーグッズを買いまくり、誕生後はプレゼントの嵐。おやつも与え放題となれば、ママ・パパの子育て方針もガタガタになる。

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棒田さんによれば、2歳までは祖父母の家と普段の生活のルールが違うと子どもが混乱してしまうため、統一したほうがよいそうだ。

「孫育てでは頑張りすぎないことも大切。孫のお世話に疲れてしまいお休みしたいときは、行政の産後ヘルパーを利用するのも一つの方法です。また孫を預かるときに活用したいのが地域の子育て支援センター。こういった施設で預かれば、『孫が来るから家を片付けなくちゃ』というプレッシャーもなくなりますよ」(棒田さん)

孫育てではおじいちゃんの活躍の場も多く、一緒に遊んだり、健診や買い物などに車を出したり。育児に不慣れでも、ママやおばあちゃんが忙しいときに見ていてくれるだけでも大助かりだとか。

子育て・孫育てに欠かせないのは家族のチーム力。みんなで赤ちゃんの成長を見守れば、喜びは家族の数だけ大きく膨らむはずだ。

(構成/上島寿子)