優待で買物券や食事券を配る企業の株価は危うい
ところで、株式投資とは、その企業を「応援」することでもあります。
そして、株主優待とは、そんな応援してくれた人の気持ちに応える、企業の心意気のようなもの。
ちょっと青臭い表現ですが、企業と株主、そんなお互いの信頼で成り立つような関係こそ、一つの理想と言えるでしょう。
しかし、その株主優待が、買物券や食事券のような、いわゆるタダ券の類の場合、応援というよりも、「タダでお得だから」「うまく利用してやろう」と、優待目的のみの株主が一定数いることも事実です。
それも一つの楽しみ方ですから、それが悪いこととは言いませんし、私自身、保有銘柄によっては、優待目的のみだったりもします。
ただ、そのような(企業自体に関心はなく、優待目的のみの)株主が多いと、株価は脆いものです。
また、そのような(一見、魅力的なタダ券の類の)優待は企業の負担が大きく、廃止・改悪のリスクも大きいのです。
株主にも企業にもメリットのある理想的な優待
その点、割引優待であれば、その優待を活用するには、お金を出して商品を買うこと(飲食をすること)になるので、企業の売り上げにしっかり貢献します。
つまり、「買って応援」ですね。
しかも、割引優待の効果で、株主は「多くのもの」「高いもの」を買ってくれる可能性も高く、それは企業にとっては大きなプラスです。
当然、割引優待をたくさん活用するほど、その割引額も大きくなり、株主もうれしいわけです。
これこそ、株主優待を通じた、企業と株主との、一つの理想の関係ではないでしょうか。
そして、そのような割引優待であれば、(企業にとって大きなメリットがあることから)廃止・改悪リスクも少なく、安心して持てるはずです。
一般には、(いくらかは出費が伴う)割引優待は不人気ですが、実は、大いに注目すべきなのです。