贈り物をせがまれるのは関係を維持したい証

ただ、A氏のような人は、要求に応じてくれた相手に見返りを渡すことは多いのです。

贈り物をせがまれるのは、A氏が仕事上の関係を維持したいと考えているあかしと受け取ることができます。

自分の立場を利用して贈り物を求めるのは、もうすぐ契約を切ろうとしている相手に対してできることではないでしょう。ですから、その分仕事の注文はしっかりともらうようにします。

もともと、要求された通り贈り物をするのも、そのためにやっていることです。

残念なことですが、コンプライアンスがうるさく叫ばれる世の中でも、ビジネスの取引では、こんな人は相変わらず存在していますから、上手な対応が必要となるでしょう。

自分から要求する行為はやめるべき

しかし、そうした慣行が存在しているからといって、自分から取引先の相手などに何かを要求する行為は、決してお勧めしません。

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第一に、立場を利用して取引先に金品などを要求するのは、あまりに恥ずかしい行為だからです。

また、ここまでの話でおわかりの通り、そんなことをすると、周囲の人たちも、その行為について知ることになります。

誰から注意を受けるわけでもなく、本人も気づかないままですが、何かを要求した取引先の日誌等に、そのことがしっかり記録されることもあれば、噂として多くの人が、そのことを耳にするでしょう。

世の中には、見込み客にさまざまな便宜を図り、賄賂を渡してでも、受注をしたい人たちが存在します。ある程度のことが、業界などの慣行として許されていることもあるでしょう。

注文をもらえた会社の担当者たちは、欲しかった見返りを得て、発注した人の愚かな行為はなかったものとして扱い、どんなことでもすっかり忘れているように振る舞ってくれるでしょう。

しかし多くの場合、その行為は、彼らの記憶の中に、いつまでも残っているものです。