「環境性能割」「消費税」も考慮したほうがいい

③環境性能割

環境性能割は、購入した自動車の燃費性能に応じて支払う税金です。税額は「自動車の通常の取得原価×税率」で算出され、税率は自動車が0〜3%、軽自動車が0〜2%です。

ガソリン車でも、一定の燃費性能を満たせば軽減が受けられますが、こちらも有利なのは電気自動車。電気自動車・燃料電池自動車・天然ガス自動車・プラグインハイブリッド自動車の場合には課税されません。また、自動車の取得金額が50万円以下の場合も課税されません。

④消費税

自動車にも消費税はかかります。購入価格の10%を支払います。もともと数百万円する買い物ですので、かなりの負担です。自動車本体以外の装備品の購入費用や車検代などにも消費税がかかります。消費税は、ガソリン車でも電気自動車でも等しくかかります。もっとも、車体価格が高いのは電気自動車ですので、電気自動車のほうが消費税を負担している、ともいえます。

以上の内容を比較表にまとめると、次のようになります。

「お金」だけでは決められない

ここまで、主にお金の面でガソリン車と電気自動車を比較してきました。車両本体の価格こそガソリン車の方が安いですが、燃費や税金面といったランニングコスト、さらには環境面で考えると、電気自動車のほうがいい、ということになります。つまり、基本的には「長く乗るなら電気自動車」のほうが得になる可能性が高いでしょう。

しかし、ガソリン車と電気自動車のどちらを選ぶかは、お金以外の面でも分かれます。

①災害で停電したら?

災害があって停電してしまえば、電気自動車はやがて充電ができなくなり、走れなくなってしまいます。その点ガソリン車ならば、電気事情は関係ありません。ガソリンさえあれば、たとえ停電していても遠くに避難できます。

ただ、電気自動車のなかには停電した家に電気を融通できるものもあります。経済産業省「災害時における電動車の活用促進マニュアル」によると、車内にある100V電源用のコンセントや「給電端子」と呼ばれる端子から家電を使うことができるとのこと。災害時の移動の面ではガソリン車が有利ですが、備えの面では電気自動車が有利です。どちらを重視するかで、選ぶ車も変わってくるでしょう。