大雪が降る地域かどうかも判断基準になる
②大雪で立ち往生したら?
災害時の備えの面では確かに電気自動車が有利なのですが、大雪で路上に立ち往生になった場合はどうでしょうか。車が大雪で覆われてしまうと、電気自動車の温度が下がり、バッテリーの性能が下がってしまいます。これによって、暖房が効きにくくなったり、車が走らなくなったりすることがあるそうです。ガソリン車ならば、ガソリンを燃焼させるため、このようなことは起きにくいとのこと。この点は、電気自動車の今後の課題といえるでしょう。大雪の恐れのある地域では、現状はガソリン車の方が向いていそうです。
東京都と鳥取県で「充電ステーション」の数が全然違う
③充電ステーションは充実している?
資源エネルギー庁「令和3年度末揮発油販売業者数」によると、2022年3月末時点のガソリンスタンド(給油所)の数は2万8475カ所あります。一方、電気自動車の充電ができる充電ステーションの数は、次世代自動車振興センター「都道府県別 充電設備補助金交付台数」によると2021年度末で3万9667カ所となっています。こうしてみると、充電ステーションは充実しているように思われるかもしれません。
しかし、充電ステーションの数は都道府県によってばらつきがあります。次世代自動車振興センターのデータによると、もっとも多い東京都には3918カ所の充電ステーションがあるのに対して、もっとも少ない鳥取県には187カ所しかありません。
充電ステーションの整備スピードも近年鈍化しています。2015年度には1万9000カ所以上の充電ステーションが整備されたのに対して、2018年度以降の整備数は1000カ所に届きません。
都市部ならばともかく、地方で外出先に充電ステーションがない場合、万が一充電切れを起こしたときに困ってしまいます。また、近年はだいぶ改善されたとはいえ、航続距離は電気自動車よりもガソリン車の方が上です。
自宅で充電器などの設備を準備でき、主に近距離の移動で使うことが多いならば電気自動車のほうがいいですが、長距離運転するような場合は、まだガソリン車のほうが使いやすいでしょう。
以上、ガソリン車と電気自動車をお金の面・お金以外での面で比較してきました。長い目で見れば電気自動車ですが、ガソリン車が有利な部分もあります。日々の生活や自動車の使い方を振り返っていただき、より自分にあった方を選んでいただければと考えます。