試算すると「ガソリン代」より「電気代」の方が安い

自動車の本体価格はガソリン車のほうが安いのですが、燃費の面ではどのくらい違うでしょうか。

ガソリン車の燃費は、国土交通省「自動車燃費一覧」(2023年3月)の「ガソリン乗用車のWLTCモード燃費平均値の推移」によると、平均でリッター18.9kmとのことです(WLTCモード:市街地、郊外、高速道路を平均的な使用時間・配分で構成した国際的な走行モードで計測した場合)。また、資源エネルギー庁「石油製品価格調査」によると、全国平均のレギュラーガソリン価格(2023年5月15日)は167.8円です。

このとき、仮に年間6000km走ったとすると、年間の燃費は

6000km÷18.9km=317.4リットル
317.4リットル×167.8円=約5万3259円

と計算できます。

一方、電気自動車の燃費(電費)は、日産の電気自動車「リーフ」の「X」モデルで1kWhあたり約6.5km。東京電力「スタンダードS」の電力量料金が1kWhあたり19.91円(2023年5月23日現在)です。ここから、仮に年間6000km走ったとすると、年間の電費は

6000km÷6.5km=923kWh
923kWh×19.91円=約1万8376円

と計算できます。

もちろん、自動車の使用状況によって消費するガソリンの量や電力量は変わります。ガソリン代・電気代の変動によっても変わってきます。

しかし、今回の計算で比較すると、電気自動車の電気代は、ガソリン車のガソリン代のおよそ35%で済むことがわかりました。

自動車税は電気自動車の方が安く上がる

自動車の所有者には、次の4つの税金がかかります。

①自動車税(軽自動車税)

自動車税(軽自動車税)は、毎年4月1日時点の自動車の所有者が支払う税金です。手元に届く納税通知書を利用して毎年5月末までに支払います。

自動車税の金額は、自動車の総排気量によって変わります。また、軽自動車税は基本的に一律ですが、車の用途(自家用か営業用か、乗用か貨物用かなど)で異なります。

【図表1】自動車税・軽自動車税の税額

たとえば、これから総排気量1500ccのガソリン車を購入する場合、自動車税は毎年3万500円です。それに対して電気自動車の場合は、毎年2万5000円と、ガソリン車よりも安くすみます。