ランク外企業で子育てするなら「1食300円」生活になる
なお、今回は「企業によって採用の学生の学歴に傾向がある」ということを実感として知っていただくために、ランクづけは大手企業を中心に行ないました。
ここで解説していない大企業の子会社やグループ会社、中堅企業は、業界や企業によって差はあるものの、概ね日東駒専レベルの学生がボリューム層で、平均年収は400万~600万円程度という傾向にありました。
今どきは、これらの年収も統計的には決して低いほうではありませんが、世帯の収入源が1人の場合には、多くの大学生が描く「普通の暮らし」「普通の人生」には足りないのが実際です。
というのも、学生たちのいう「普通に働いて給料をもらって、普通に結婚して、普通に子どもが育てられれば」というのをざっくり試算してみると、年間650万円程度の収入が必要となる見込みだからです(30代前後の夫婦と子ども2人の4人家族・賃貸マンション暮らしを想定、東京地方労働組合評議会東京春闘共闘会議「東京都最低生計費試算調査」より)。
ちなみにこの試算では、食費は1人1食300円程度、家族みんなでの行楽は月に1回8000円程度、飲み会も月に1回3500円程度です。
Cランクで紹介したようなハードなノルマが課せられていることは少ないようですが、こうした将来像を見据えたうえで大学受験に臨むことは不可欠です。
早慶卒でも大手企業に勤めるのは4割
今回の調査は、あくまでいくつかのデータから全体を推察したものであり、絶対的な基準ではありませんのでご注意ください。
加えて、ここでお話ししているのは、「Bランク企業の採用ターゲットがMARCHであること」であり、これは「MARCHに通えばBランク企業に行けること」とは全く違います。少し前のデータにはなりますが、早慶生で大手企業に勤めるのは全体の4割程度、MARCHだと25%程度と、企業の採用ターゲット校に進学した先でも厳しい競争が待っていることは、忘れないでいただきたいと思います。
ただ、そうはいっても、「上位校→人気大手企業に就職→高収入」という傾向は、統計的に見て間違いありません。
親御さんも一丸となってお子さんの大学受験対策に乗り出している以上は、なるべく上位校を目指していただきたいと思っています。