プログラミングコードの権利問題はより慎重に考える

【酒井】そのほかに、権利問題で知っておくべきことはありますか?

【古川】ChatGPTではプログラミングのコードの生成も可能ですが、こちらは文章に比べて問題が起きやすいのではないかといわれています。プログラムコードの生成に特化したAIサービスでは、集団訴訟も起きています。

【酒井】たとえば、少し珍しいコードの書き方をするエンジニアがいたとして、それを学習した場合に「その人しか書かないはずのコード」がChatGPTで生成されてしまう、という感じでしょうか?

古川渉一、酒井麻里子『先読み! IT×ビジネス講座 ChatGPT 対話型AIが生み出す未来』(インプレス)

【古川】そうですね。もちろん、「自分が書いたコードにそっくりなもの」がAIで生成されたからといって、必ずしも「そのコードをそのまま出した」とは言い切れません。

【酒井】確認のしようがないからという意味でしょうか?

【古川】そうですね。ブラックボックスの問題ですが、AIが学習元のデータのどの部分をどう利用しているのかといった部分はわからないので、何ともいえないんですよね。

【酒井】プログラミングコードを生成する場合は、文章の場合より慎重にチェックする必要がありそうですね。そして、文章生成の場合も、権利侵害が問題になる可能性はゼロではないので、生成された文章に類似したものがないかの確認は怠ってはいけないということがわかりました。

(イラスト(古川、酒井)=朝野ペコ)
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