事業が拡大したときのための備え

事業が伸び始めると、参入障壁を突破してくる(模倣する)企業が現れるため、事業考案段階でそのリスクヘッジも同時に考える必要があります。

ベンチャー企業が市場開拓をし終わったタイミングで、大手が参入して資本力で殴られて全滅なんてこともあります。

しかしアダルト領域においては、「上場企業」または「上場を視野に入れている企業」はそもそも競合対象外になるため、後発の競合にシェアを奪われる可能性は通常の商品よりも低いのです。

「他社にはない自分の強みがある」「他社がコンプライアンス的に参入できない」などの参入障壁は、競合対策として重要な視点になります。

オペレーションコストを少しでも減らすため、製造過程が単純で、製造難易度が低い領域だとさらに参入しやすいでしょう。

オナホの製造方法は「金型に素材を流し込んで固める」というとてもわかりやすい方法です。

精密機械や消費期限のある食品とは異なり、製造から発送までのオペレーションが組みやすいのです。

勝敗を分ける納品スピードが出せる商品か

また製造しやすい商品だと、納品スピードも早い傾向にあります。

最短で商品を発売したり、商品改良のサイクルを早めたりできるため、PDCAが回しやすく、Webマーケティングとの相性も良いです。

特に流行に左右されやすい商品は、発売までのスピードが勝敗を分けます。

「企画段階では絶対イケる市場だったのに、開発に時間がかかって発売する頃には流行が終わっていた」なんてことを避けるために、納品スピードは必ず確認するべきです。

写真=iStock.com/1shot Production
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また「商売の基本は、安い値段で仕入れて高く売る」と言われているくらい、高価格で売り出しやすいかどうかは重要です。

より厳密に言うならば、「高い値段で売っていても違和感がない」ということです。

日用品などの顧客にとって価格相場がある程度決まっている商品は、よほど高級路線のブランディングが上手くない限り、価格競争に巻き込まれやすいです。

例えば、1ロール1000円のトイレットペーパーを売るのは、「トイレットペーパーの相場はせいぜい1ロール20円〜50円程度だろう」とわかっている顧客にとって「高い」と感じやすく、購入へのハードルが上がります。

ところがオナホ市場は、一般的な価格のイメージがつかみにくいため高価格帯で売り出しやすいのです。

実際に、オナホの相場は3000円前後ですが、自社商品は5000円台で販売しています。