「帳簿書類」を備えていれば節税できるが…
【ヒロ税理士】これでもわかりにくいかもしれないね。この「通達」は法律ではないため絶対的な拘束力はないものの、今後はこの指針に沿って税務行政も運営されるものと予想している。要は「帳簿書類」をしっかり備え付けていれば事業所得として認められることが多くなった!そのように考えてもいいだろう。
一番まずい例は、事業所得として「損益通算」をして節税してしまっている例です。副業でわざと赤字を作り節税を狙うやり方は、すでに“摘発”されています。どういうことかというと、生活費等の通常経費として認められないようなものを計上して、副業の収入より副業の経費をたくさん作って赤字にします。そしてその赤字を、本業の給与と相殺する「損益通算」をして、その給与から源泉徴収された所得税の還付を受けるという脱税スキームです。
10年ほど前の話ですが、あるコンサルが副業会社員にこのスキームをアドバイスして、不当に税金の還付を受けさせて、その中から報酬を得ていました。もちろん、業績悪化によって発生した赤字を「損益通算」するのは問題ないけど、今回の場合はほぼ架空のビジネスであることから、雑所得扱いとなるため、損益通算ができないのです!
損益通算できるのは事業所得や不動産所得等の赤字に限られるので、もし「損益通算」をしている方がいたらご注意ください。