長女の習い事と長男の塾代を合わせると月10万円の出費に

ここで少し話を巻き戻すと、長男の下には3歳下の長女がいるのですが、横浜市に引っ越してからというもの、周囲の教育熱心なママ友に影響されて娘さんのお稽古事が増え、今では英会話、プログラミング、学習塾、ピアノと、彼女の習い事だけで5万円を超える出費になっていました。

そこへ長男の塾通いがプラスされたことで、松原家は一気に10万円もの教育費が毎月出ていくようになったのです。

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私自身、お受験激戦区に住んでいますので、その“沼”っぷりは骨身にしみてわかります。まず、小学校4年生から6年生までの3年間、名の知れた中学受験塾に通わせた場合、塾代だけで250万円かかると言われています。さらに私立の場合、受験料は1校あたり2万円、平均6、7校は受験するケースが多いそうなので、そのお金も考えておく必要があるでしょう。

もし、下のお子さんも中学受験をするとなると、かかる金額は2倍になるわけです。

私立中学の学費は年間平均140万円に達する

晴れて合格した後も、もちろん教育費がかかります。文科省によると、私立中学の学費は年間平均140万円。高校の場合、私立の教育費無償化も進んでいますが、中学は義務教育ということもあり、公的助成がほとんどありません。そのため、ここに定期代やお弁当代などが加算されると考えれば、やはり私立中学入学後も毎月10万円以上かかることがわかります。

一般的に、子どもが小さい頃は“貯金どき”とされていますが、松原家のようにすでに毎月10万円を超える教育費がかかっていると、大幅な賃金上昇が見込めない現状、世帯年収1000万円でもかなり厳しいものがあります。

もともと麻子さんは海外旅行が好きで、コロナが落ち着いたタイミングを見計らって家族でハワイに行きたいと思っていましたが、今でも教育費にお金がかかっているのに、今後もっと教育費がかかるかと思うと、海外旅行どころか、外食も行けなくなってしまった様子。「日々の暮らしに楽しみがないんです」と力なく話していました。