高所得世帯でも3~5歳児クラスは無料に
親が共働き等で保育が必要な子どもが通う、保育園、認定こども園、地域型保育の0~2歳児クラスに関しては、世帯年収に関わらず第2子が半額、第3子以降は無料となっています(※3)。
保育料は市区町村民税の所得割額をもとに決定しますから、所得が高いほど保育料が高くなります。認可保育園に通う0~2歳児クラスの保育料平均は約4万2000円ですが、パワーカップルの場合など、保育料が10万円となるケースもあります。
一方、3~5歳児クラスの場合、幼稚園(※4)も保育園も所定の施設に関しては所得制限なく無料で利用できます(※5)。0~2歳児クラスのときに保育料負担が重くても、子どもが3歳になれば卒園まで無料になるわけですから、共働きで高所得世帯ほど支援が手厚いことになります。
通園送迎費、食材料費、行事費などは保護者の負担ですが、年収360万円未満相当世帯の子どもと第3子以降の子どもについては、副食(おかず・おやつ等)の費用が免除されます。
(※3)年収360万円以上の場合、小学校1年生以上の子どもはカウントしない
(※4)子ども・子育て支援新制度に未移行の施設は月額2万5700円まで無料
(※5)認可外保育施設は月額3万7000円まで無料
小中学校の6年間は支援の“空白地帯”
小学校と中学校時代は児童手当以外の経済的支援はほとんどありません。義務教育ですから、公立に通うかぎりにおいては、負担は抑えられますが、私立校への進学ともなれば経済的負担は一気に高まります。
高校生になると高等学校等就学支援金制度がありますが、所得制限があり、両親の所得を合算したもので判定をします。世帯年収が590万円未満の場合、公立高校では年間11万8800円、私立高校では年間39万6000円の就学支援金を受給することができます。世帯年収590万円以上~910万円未満の場合は、公立でも私立でも支援金は年間11万8800円です。就学支援金は生徒や保護者に支払われるのではなく、学校が生徒と保護者に代わって受け取り授業料にあてます。
公立高校だと就学支援金で授業料がほぼカバーできますが、私立高校では全額をカバーできない場合があるかもしれません。その場合、不足する分が学生と保護者に請求されます。国の制度だけでなく、自治体独自の支援制度を設けているところもあります。