何が「無意味」かは人それぞれ
これは多くの人が誤解していると思いますが、民間の医療保険というのは、医療行為に対する治療費を出してくれるものではありません。入院時の食事代とか、通院のためのタクシー代とか、個室へ移る場合の差額料などは、公的な医療保険ではまかなえず、いずれも全額自分でお金を出す必要があります。民間の医療保険では、そういった諸々の費用をまかなうために、現金が給付されるわけです。
であるなら、貯金を持っていれば、特に問題はありません。貯金なら、使いみちは自由ですが、医療保険は該当する事由が発生しないと支払われないのが原則だからです。
もちろん、誰に対しても無意味というわけではありませんが、少なくとも私にとっては民間の医療保険はまったく無意味なものです。仮に病気になったとしても、治療費は公的な医療保険で出ますし、高額療養費制度を使えば、どんなに治療費がかかっても、月10万円もかかりません。病院へタクシーに乗って行ったり、入院中の食事代を払ったりするぐらいの貯金は持っています。
ですから私には民間の医療保険はまったく無意味ですが、人によって意味があると考えるのであればそれはかまわないでしょう。自分にとって意味があるかないかを考えるべきだと思います。
コスパばかりを気にすると人生が貧乏になる
どうも現代の多くの人は、日常生活において、そして人生においてすら、無駄をなくして効率的に生きようとしているように思えてなりません。でも、もう少し鷹揚に考えて、お金を使うこともしてみるべきなのではないでしょうか。お金の使い方に関して、誰もが無駄をなくして効率を求めた結果、何でもかんでも「コスパのよいモノ」を求める時代になりつつあるように思います。
私はこの「コスパのよさを求める」ということが、日本人をますます貧乏にしていっているような気がしてなりません。