笑顔で「いつでもどうぞ」と心の窓が開いているか
フラリと行ったことのない飲食店に入るとき、あなたはどんなお店を選びますか?
外からでも中の雰囲気がわかるお店に入るのではないでしょうか?
同様に、人が話しやすいと感じる人は、笑顔で「いつでもどうぞ」と心の窓が開いている人です。
聞き方のあいうえおの4番目は、「え」の「笑顔で」です。初対面のとき、挨拶するとき、目が合うときに笑顔の人は、「あなたに心を開いています」と相手に心の中を見せています。すると相手も声をかけやすくなります。
「面白いことがあったら笑う」という人がいますが、これはお店で言えば、「お客様が来たら、入り口のシャッターを上げます」と言っているのと同じです。
お客様はお店が閉まっていると思って帰ってしまいます。話しかけやすい人は、特に楽しいことや面白いことがなくても笑顔なのです。
口角を上げ目元にシワができる本物の笑顔を「デュシェンヌ・スマイル」、口角を上げるだけで目が笑っていない作り笑顔を「ノンデュシェンヌ・スマイル」といいます。
ある企業で行った調査では、商品の売り上げ上位の販売員は、全員がデュシェンヌ・スマイルの持ち主で、一方、売り上げ下位の人たちはぎこちない笑顔だったという結果が出ています。
本物の笑顔を見るとお客様も笑顔になり、商品もより良く見える効果で売り上げが上がったのです。お客様は気分が良いときに買い物をするからです。
さらに重要なのは会話中、笑顔のタイミングが合っているか、笑顔の“キャッチボール”ができているかどうかです。
以前、悩み相談をした際に笑顔でうなずかれて、「人の気持ちがわからない人だ」とがっかりした経験があります。
これは笑顔で話すタイミングがずれているのです。感じがいいと思う人はどんな第一印象なのかを調査した研究では、1位は笑顔、2位は挨拶をする、3位は丁寧に接する、という結果が出ています。このように、話を聞くときに笑顔が相手に与えるパワーは絶大です。
緊張しているときや忙しいときは笑顔が消えやすいものです。そんなときほど笑顔で心の窓を開けておいた方が、周りの人も声をかけやすくなります。
仕事でも日常でも笑顔を特別なときだけのデラックス(=贅沢)なものではなく、スタンダード(=標準)にしておくことが大切です。