最高の人材を最も重要なポジションに

パフォーマンスの高い組織は、最高のパフォーマンスをまずまずのパフォーマンスやお粗末なパフォーマンスとはっきり区別している。そうするための「正しい」方法――具体的な方法については後ほど説明する――を選ぶには、上級幹部はまず「業績の問題の何を最も重視するか」を決めなければならない、とオニールは言う。

トップ・パフォーマーの間にいくつか等級を設けるとともに、標準以下のパフォーマーを除去するのである。

自社の業績評価システムの包括的な目標を定めたら、ラトガース大学経営・労使関係大学院の人材戦略論教授、マーク・フセリドが「社員区別戦略」と呼ぶものを構築しよう。

たとえば製薬会社では、非凡なパフォーマンスを生む主な要因は、研究開発サイクルタイムを厳しく管理する能力、高品質を実現する製造プロセス、優秀な営業部隊、食品医薬品局(FDA)と協力する方法を深く理解していることなどだ。

 「これらの活動は製薬会社のAレベルの仕事であり、戦略的重要性が最も高いポジションだ」と、フセリドは説明する。Aレベルの仕事のそれぞれについて、会社は「この仕事に関連のある能力や社員のコンピタンシー(行動特性)は何か、リーダーシップ行動は何か、成功の主な指標は何かを明らかにする」必要がある。

 「Aレベルの仕事にAレベルの人材をあてることで初めて、企業は競合他社を本当に引き離すことができる。このAレベルの仕事のそれぞれについて、非凡なパフォーマンスとはどのようなものかを明確にしよう。次に、それらの仕事を必ずトップ・パフォーマーに担当させるようにしよう」