ドルーリーの本当の実力

ドルーリーが陸上界で注目を浴び始めたのは2022年夏の全日本中学校選手権だ。1500m決勝でラスト1周から強烈なスパートを披露。後続を5秒以上も引き離して中学一に輝いた。

現在の中学生の中距離種目でその実力は図抜けている。2022年度に彼女が中学1位となったのは、400m(58秒06)、800m(2分09秒47)、1500m(4分22秒60)、3000m(9分20秒46)の4種目。素晴らしい実績だが、どの記録も中学歴代でみれば10傑には届いていない。現時点では過去に「天才少女」と騒がれた選手の走力には及ばない。

都道府県対抗女子駅伝の走りは圧巻だったが、メディアがここまで取り上げる必要があったとは思えない。ゴボウ抜きをしたといっても、38位から21位と下位から中位への順位変動だ。チーム(岡山)が上位入賞していれば別だが、優勝したのは大阪で、岡山は18位だった。

もっと大きな違和感を覚えたのは、市町村対抗の「晴れの国 岡山」駅伝の報道だ。ドルーリーは3区(3km)を走り、9分40秒をマークして区間賞・区間新記録。全国大会で優勝する実力者なら、この大会のようなローカルレースでダントツの結果を残すのは当然だろう。本来なら地元の人しか関心がない大会だが、ドルーリーを執拗に追いかけたメディアのおかげで全国的なニュースになった。

写真=iStock.com/mbbirdy
※写真はイメージです

なんだか、オリンピックや世界陸上でメダルを獲得した後のようなフィーバーなのだ。その理由は、メディアにとってドルーリーの「容姿」が読者や視聴者の興味関心を引きそうだと考えたことにある。