自動車産業→外資系ソフトウエアメーカーへ
医療業界は年収相場が高い傾向にあると先述しましたが、もう一つの代表例としてIT業界が挙げられます。特に外資系IT企業の場合、研究や開発は主に海外にある本社で行われており、日本支社は営業所としての位置づけになる企業も多いため、採用は営業職が中心となり、カントリーマネジャーも営業職出身の方が多いのが特徴です。
年収900万から1200万円への転職を実現させたBさん(40代・男性)は、20年以上にわたって複数の自動車部品メーカー(日系企業が中心)で法人営業に携わった経験を活かし、今後さらに大きな伸びが期待できる外資系ソフトウエアメーカーの営業職へと転身を遂げました。営業職の場合、取引先は日本のお客さんとなるため、外資系企業であっても英語力があまり必要とされない場合が多いです。ただし、日本支社の規模が大きくない場合、社内資料や製品のマニュアル等が英語である可能性が高いため、英語の文章を読んで理解できる程度の英語力があるとベターです。
ソフトウエアメーカーをはじめとするIT業界は日々海外から新たな製品が入ってくることに加えて、人材の流動性の高いマーケットであるため、比較的コンスタントに採用への需要があります。異業種からの転職を狙う場合、検討する価値のある分野です。
30代で年収950万円→1300万円へ
デジタルトランスフォーメーションが進み、いわゆるIT業界の企業にとどまらず、どのような業種の企業であっても優秀なIT人材が求められています。
日系企業のネットワークエンジニアから外資系企業のセキュリティーエンジニアへと華麗な転身を遂げ、950万円から1300万円へと大幅な年収アップを実現したCさん(30代・男性)は、実は大学でコンピューターサイエンスなどを専攻したわけではなく、新卒で入社した通信企業での配属によって、社内トレーニングや実務を通じてエンジニアとしてのキャリアを築き始めた経歴を持ちます。
ネットワークエンジニアとして15年以上経験を積み、現状の待遇に大きな不満はないものの、今後ますます主流になるであろうクラウドやサイバーセキュリティー分野へ挑戦してみたいという思いから転職を決意しました。
クラウドやサイバーセキュリティーなどの比較的新しい領域では、当該分野での経験やスキルを持つ人が極めて少ないという現状から、業務未経験での転職に対してもオープンな傾向が見られます。Cさんはネットワークでの豊富な経験を買われて、日本での成長フェーズにある外資系のサイバーセキュリティーソリューションを提供する企業での内定を勝ち取ることができたのです。