食欲や睡眠の状態変化はうつの大きなシグナル

うつ病では、食欲障害と睡眠障害が同時に生じることが多いです。

和田秀樹『ぼけの壁』(幻冬舎新書)

食欲に関しては、一般に、うつ病の人は食欲が減退します。そして、「不眠」もうつ病の典型的症状で、寝つきが悪くなる以上に、夜中に目が覚めてしまう「早朝覚醒」が多くなります。

ちなみに、認知症の人は、食欲が増すケースが多く、またよく眠り、ロングスリーパーになる傾向があります。そのため、これらの点に着目して、うつ病か認知症かの区別がつくこともあります。

そして、治療をめぐる最大の違いは、認知症は、今のところ、進行を遅らせることはできても、治癒することはできませんが、老人性うつは、適切に治療すれば、かなりの確率で治る病気だということです。

とりわけ、早期に発見し、治療を開始すれば、抗うつ薬がよく効き、90%くらいの確率で治ります。

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