IT先端分野の設備投資は鈍化する恐れ

しかし、足許では米GAFAの業績拡大ペースは鈍化し、メタやアマゾンなどは大規模な人員削減を発表した。メモリ半導体の在庫調整も進んでいる。スマホを起点とした世界的な需要創造は難しくなっている。パソコンの出荷も減少している。これまでに比べ、IT先端分野の設備投資は鈍化する可能性は高い。

また、当面の間、米国やユーロ圏ではインフレ鎮静化のための利上げも継続されるだろう。企業の債務返済コストは増えやすい。世界的に設備投資のモメンタムが追加的に弱まる可能性は高まっている。

そうした展開予想にもとづき、日本電産は構造改革を進めようとしている。同社をはじめ、わが国の精密な電子機器や工作機械メーカーは世界経済の需要をいち早く取り込んで景気回復を支えた。それだけに、日本電産の業績下方修正の意味は慎重に考えるべきだ。

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