好きなことをすれば、不思議なくらい疲れない

好きなことをしていると、不思議と疲れません。だから、好きなことを仕事にしている人はいくら働いても疲労感に押しつぶされることがないのだと思います。

私自身、住職のほかに庭園デザイナーとして活動していますが、この仕事は本職の延長線上にある“趣味”のようなものともいえます。

写真=iStock.com/t_kimura
※写真はイメージです

また「禅の庭」を手がけるなかで、その仕事がホテルの庭園や海外の大使館の庭などに広がっていきました。さらに、「禅の庭」から派生して、そこに置く照明器具や家具などのインテリアまでデザインするようになりました。

広い視点から庭を含めた空間全体をデザインするようになったのです。これが非常に楽しくてしかたがない。疲れを感じることはほぼないといっても過言ではありません。

そんな私ですから、好きな趣味を見つけたら、それに没頭してみることをおすすめします。疲れないどころか、平日の仕事の疲れを、好きな趣味に取り組んで得られる心地よさで相殺できるくらいです。

へたに休むより、ずっと元気になります。趣味で健康増進ができる、といってもいいでしょう。

好きなことを「広げる」「深める」方法

好きではじめた趣味でも、楽しむうちに、その世界を探求したい気持ちが動き出すことがよくあります。前項でお話しした私の庭園デザインもその例に漏れません。

枡野俊明『仕事も人生もうまくいく整える力 禅が教えてくれる98の養生訓』(三笠書房)

趣味の世界を広げる、もしくは深める際のキーワードは「探求心」です。方向性はおもに2つ。1つは、好きなことの枝葉を広げていくことです。

たとえばジグソーパズルが趣味だとして、風景やお城、名画、人物など、いろいろな絵柄に挑むなかで、その背景や歴史などに興味を持ちはじめたらどうでしょうか。次から次へと知りたいことが出てきて、教養を広げる勉強につながっていきます。

もう一つの方向性は、趣味の世界を深掘りすることです。私の知り合いは現役時代から地元の歴史を調べるのが好き。休日には近隣をあちこち歩き回ったり、図書館で調べ物をしたりしていました。

そしてリタイアしたいまは、地元の郷土史のスペシャリストとして、ボランティアガイドを務めています。とても生き生きとしています。

いずれのケースもまさに「趣味は身を助ける」。枯れることなくますます盛んな探求心は、アグレッシブな生き方を支えてくれるもののように思います。

関連記事
【関連記事】どんなに寒い日でも"温かい布団への未練"を断ち切れる…"朝"を制覇する人がやっている寝起きのルーティン
週休0日→週休4日で、売上高は600万円→1億円に…元整体師の僧侶が「ちゃんと休むべき」と説くワケ
これで私はストレスとは無縁の人生になった…脳科学者・茂木健一郎が続けている「脳にとって最高の運動」
「お金が貯まらない人は、休日によく出かける」1億円貯まる人はめったに行かない"ある場所"【2021上半期BEST5】
「脳トレはほぼ無意味だった」認知症になっても進行がゆっくりな人が毎日していたこと