1.自分の話ばかりして“私は座持ちがいい”と勘違い

好かれる人と嫌われる人の会話のいちばんの違いは、自分の話ばかりするか、みんなが楽しめる話題を提供して公平に話を振っているかではないでしょうか。

自分だけ「おしゃべり」を楽しむ人は、話術に長けた人もかなり多く、自分は座持ちがいいのだと思いがちです。しかし、人は相手を軽く見ているとき、しばしば冗舌になります。一方的に長い話を聞かされるのは誰でも苦手ですし、数人での会話中に独演会をする人と一緒だと疲れてしまいます。相手のことなどお構いなしのおしゃべりは、優越感の表れで、思いやりを欠いた自分勝手な行為とも言えます。

会話を楽しむために必要なのは言葉のキャッチボールです。あなたがもし「私って、ほら、ダーク系の洋服が多めじゃない?」と、つい自分語りが長くなりがちの人なら、主語を「私」から「あなた」に変えるのが好かれる会話のコツです。自分ばかり話さずに「あなたはどう?」と相手に関心を示して、話題を振ってあげましょう。会話上手は聞き上手、聞き上手は人気者です。

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2.人の失敗談で場を盛り上げようとする

また、一見話題が豊富そうでも、人のまわしで相撲をとるタイプの人も要注意。こういうタイプの人は、自分は一切傷つかず、他人の失敗談などを利用して場を盛り上げようとします。例えば、「昨日、○○さん(後輩)ったら、取引先でやらかしちゃったんだよね」と、後輩に、失敗話を振ったりします。後輩が同意の上ならいいのですが、突然、失敗話を強要されて笑いのネタにされたら、いい気はしないものです。

それより、自ら身を削って自分の失敗談で場を盛り上げる先輩の方が、断然、好感度が上がります。ただし、行き過ぎた自己開示は場を白けさせるので、相手に合わせた話題選びのセンスも大切です。

ある企業の幹部が、新入社員との懇親会で場を盛り上げようと「子どもたちが独立して夫婦二人になったら会話がなくて困ったよ……」と笑い話のつもりで話したのに、場がシーンと静まり返ってしまったそうです。さすがに未婚の新入社員に中年夫婦のあるある話は理解できないでしょうし、入社したばかりの社員が幹部にツッコミも入れにくいものです。年の差がある相手には、相手世代がクスッと笑える話題を選んでください。

3.年齢の自虐ネタ

若手社員からは、会話中に面倒だと感じる先輩の例として、「私なんて、もう年だから……」「こんなおばさんだけど……」と、年齢について口ぐせのように会話に挟んでくる人という声もあります。後輩にしてみれば、先輩が「もう年だから」というたびに、「そんなこと、ありませんよ!」「まだ若いですよ」という返しを催促されているようで、度重なると「ああ、またか」とうんざりしてしまうとのこと。一方、慕われている先輩とは、本人も周りも年の差なんて気にせず楽しく盛り上がっているそうです。