部下が取引先に対して失礼な態度をとったとき

塩対応「​ちょっと! さっきの態度、失礼でしょう⁉」

イラスト=地獄カレー(出所=『好かれる人の神対応 嫌われる人の塩対応』)

事情を把握しないまま、叱ったり怒鳴りつけたりすると、部下は萎縮するばかりか、心を閉ざしかねません。子ども同士の喧嘩によくありますが「お友達を叩いた子」は、その前の段階でイヤなことをされていることが少なくありません。それと同じ話ですよね。「失礼な態度」だけにフォーカスするのは酷と言えます。

神対応「もしかして、なにかあった? よかったら聞かせて」

イラスト=地獄カレー(出所=『好かれる人の神対応 嫌われる人の塩対応』)

部下と取引先との表面的なやりとりを見ただけで、注意をするのは、ちょっと待って。もしかすると、あなたの知らないところで(メールのやりとりなどで)、なんらかのトラブルが起こっていたかもしれないからです。まずは状況をたずねて事実を把握しましょう。先方へのお詫びは、それからでも遅くはありません。

部下が指示した方法とは別の方法で対応しているとき

塩対応「そんなやり方じゃダメ。前例通りにやってよ」

イラスト=地獄カレー(出所=『好かれる人の神対応 嫌われる人の塩対応』)

「指示通りでない」「前例(マニュアル)を踏襲していない」と、頭ごなしに叱りたくなる気持ちはよくわかります。正義感の強い人ならなおさらでしょう。ですが頭ごなしに否定すると、部下のモチベーションは急降下。結果的に、「言われたことしかしない、無気力な指示待ち人間」となってしまいかねません。

部下の行動には理由が必ずひそんでいるもの。その意向や事情を探り、それを否定せず、いったん受け入れる姿勢が信頼関係を深める。

神対応「いつもと違うようだけど、プランを教えてくれる?」

イラスト=地獄カレー(出所=『好かれる人の神対応 嫌われる人の塩対応』)

部下が違う方法で進めているとき、その理由(事情や意向)をまず聞き出しましょう。業務の改善点に気づけるかもしれません。理由が特になかったり、ミスである場合は、改めてもらう。「違う方法」にデメリットがあるなら、理由を添え修正してもらう……。そんな的確な上司判断のためには、ヒアリングが第一です。