どこにも「95%」の定義や出所が説明されていない場合、薬を服用した150人のうち、「『有効だ』と答えた人の割合=有効率」なのかもしれません。そうだとしたら、このデータはまったく信用できません。150人の95%は142.5人だからです。生きた人間を半分には割れず、端数の「0.5人」は本来存在しないはずです。
「142÷150×100=94.666……」または「143÷150×100=95.333……」の小数点第1位の四捨五入をしたのなら、それを明示すべきです。こうしたいい加減なデータを見ると、そもそも調査をきちんと行っておらず、デタラメな数字ではないかと、私は疑ってしまいます。
また、「数字が隠されていないか」と疑うことも大切です。官僚や政治家は、自分たちにとって都合の悪い統計・データを隠そうとします。
たとえば、厚労省はワクチンに関する統計・データの数字を国民にきちんと知らせていません。実は、季節性インフルエンザワクチン接種後の死亡者数は、延べ約1億人が接種して10人程度です。その一方で、新型コロナワクチン接種後の死亡者数は、国民の大部分が接種して1800人以上です。
このことを国民にきちんと伝えると、季節性インフルエンザワクチンと同じような気軽さで新型コロナワクチンを接種できなくなるでしょう。そうなると、数兆円もの予算を確保してきた新型コロナワクチンの接種が進まなくなってしまう恐れが出てきます。そのため、厚労省はこうした統計・データを国民にきちんと伝えようとしていないと考えられます。
統計・データの数字は、物事を判断するのに有用な道具です。しかし、真に必要な数字を見つけたり、数字が持つ意味を読み解いたりしていく力も必要です。問題のある数字について具体的に検証していきます。
【各論1】ワクチン接種と相関か。不気味な22年2月の死亡者数の激増
「2022年は、日本で東日本大震災に匹敵する大災害が起こっていた可能性がある」と言うと、「まさか」と驚くかもしれません。しかし、厚生労働省の「人口動態統計」に示された、歴然たる事実です。新聞やテレビなどではほとんど報じられていませんが、私は人口動態統計のデータを分析して、そういう結論に達しました。
22年の月次人口動態統計速報を見ていくと、21年よりも死亡者数が激増しているのがわかります。22年は8月までの累計で、すでに死者の増加数が戦後最大です。とりわけ、22年2月は、21年2月に比べて約1万9000人も、死者が増えていました。これは、極めて“異常”な数値といえます。