慢性炎症は全身の機能を低下させていく

アルツハイマー型認知症は、アミロイドβというたんぱく質が脳に蓄積されることで発症すると考えられていますが、なんと歯周病によって口の中に増えたサイトカインが脳に運ばれると、このアミロイドβが脳に増えることが報告されています。

マウスを使った九州大学の実験では、人間の年齢に換算すると40〜60代のマウスに3週間、歯周病菌を投与したところ、脳の中のアミロイドβが10倍に増え、記憶力が低下したそうです。

今井一彰『名医が教える 炎症ゼロ習慣』(飛鳥新社)

このほか、歯周病の慢性炎症が飛び火することでリスクが高まる病気には、動脈硬化や脳梗塞・心筋梗塞、関節リウマチ、肺炎などがあります。いずれも慢性炎症によって起こる病気です。

口の中で起こった慢性炎症が、体のいろいろな場所へと広がって、現代もっともこわいと思われている病気の原因になっていることがよくわかりますね。

ここまで慢性炎症によって起こる病気をとりあげてきましたが、これらはあくまでも一部の事例です。慢性炎症は、すべての内臓、器官、体のいたるところで起きています。

さらに炎症が全身に広がって、体の機能をどんどん低下させていくのです。

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