学び直し成功の鍵は「自分に合う勉強法」を知ること

不登校からの学び直しをするにあたって大事なことの一つは、「自分に合う勉強法を知り、短期間で学び直しの範囲をキャッチアップすること」だ。

「自分に合う勉強法」というのは、自分の生活リズムや特性(※1)にあった勉強法のことを指す。

例えば、「昼夜逆転はすぐに直さなくてもいい」と僕は考えている。不登校の子を持つ保護者のなかには、「せっかく学び直しを始めるのなら、生活リズムも直し、朝から勉強をする生活習慣を身につけた方がいいのではないか?」と、本人以上に思っている人も多い。

しかし、勉強習慣をつけるために大事なのは、本人が続けやすいスタイルで始めることだ。

そもそも、昼夜逆転している生徒の場合は、少なくとも学び直し開始時点においては夜に学習したほうがずっと活動しやすく、頭に入りやすい可能性も高い。だとすれば、「あえて夜に勉強する」という選択もアリである。

写真=iStock.com/LdF
※写真はイメージです

実際には、入試の直前には試験時間に合わせて生活スタイルを変えていく必要はあるものの、開始時点(=最も挫折をしやすい時点)においてはそれまでの生活を変えずにできる方がずっと継続しやすいだろう。

長時間じっとするのが苦手な僕の勉強法

また、「自分の特性に合わせた勉強方法」を見つけることで、効率良く勉強を進めやすくなる。

例えば、僕の場合は、発達障害(ADHD/ASD)がある。特に視覚優位(視覚から得た情報を処理することが得意な特性)が強く、授業を聞くよりも自分で参考書を読み進める勉強を中心に行った方が、効率が良いことが多かった。

教え方にもよるが、口頭で説明される授業よりも、文字・図・イラストで説明される参考書を読む方が、集中が続くのだ。

一方で、苦手分野については参考書では理解しづらく、個別指導塾に通った。苦手な分野は口頭での表現も混ぜてもらった方が理解しやすい。また、集団で授業を受けていると眠くなってしまうが、個別指導塾では僕に合わせた授業をしてもらえたこともあり、集中が続いた。

他にも、ADHDで机の前に座って長時間じっとすることが苦手だったため、部屋の中を歩きながら参考書を読み、気分転換をしながら勉強していた。このように、特性に合わせた勉強方法に変えてからは、成績も伸びるようになった。

※1 特性 本記事においては、「その人自身が持つ性質や癖、傾向のこと」を指す。